靴の底が早く擦り減る?長く使うための秘訣。

2021/08/25

みなさんこんにちは。
MIDFOOT担当の岡田です。

みなさんにこのような経験は無いでしょうか?

『あれ?靴底がこんなに減っている。そんなに履いていないのに・・・』

靴底は地面と接地している時間が長く歩くたびに摩擦が生じるので、靴でも一番初めに痛むパーツになります。
しかし靴底のそれぞれの特徴を理解する事でより長持ちし、修理とか靴の買い替えを極力抑える事が出来ます。
今回は靴底の特性や取り扱い等についてまとめてみました。

材質の特徴やメリット&デメリットを紹介

今回はウォーキングやランニング用の靴に絞ってご紹介いたします。これらの靴に使っている靴底は比較的軽量でクッション性がある物を使っています。機能性は同じ様なものでも使用されている原材料には主に2つあります。
まずはその素材の特性をご説明いたします。。


・EVAソール

軽量でクッション性にも優れており、昨今のスニーカーやランニングシューズにもよく多用されている靴底です。その原材料はエチレン酢酸ビニールという合成樹脂です。しかし耐久性や摩耗に弱いところがデメリットなので靴底として使う場合はゴム材を混ぜて使用する、又はEVAソールの接地面に硬質なラバーを直接貼り、摩耗対策をしているケースが多いです。

・ウレタンソール

耐久性、耐摩耗性に強くしかもクッション性も大変優れております。更にEVAの摩耗しやすいのデメリットをカバーしているので大変優秀な靴底です。
ただ原材料がポリウレタンなのでデメリットもあり、経年劣化で靴底が破損する一面を持っています(これを加水分解と言います) 昨今のウレタンソールは品質改善され加水分解のリスクは減ってきております。しかしポリウレタンを使用している以上このデメリットを避けられないのが実情です。

優秀なウレタンソールを長持ちさせるためには?

前述のとおりウレタンソールは機能面では非常に優秀ですが、経年劣化で靴底自体が破損する特性を持っています。これを『加水分解』と言います。劣化が始まるタイミングは製造されてから6~7年、使用状況にもよりますが早ければ3~4年で発生する場合もございます。

しかしちょっとした事を注意する事でこの現象を少しでも抑える事が出来ます。
ウレタンソールの靴を使う場合には是非参考にしてください。

・ウレタンソールの取り扱いで注意すること。

①雨などで濡れたときは必ず水分をふき取る。
 雨水や泥が付いたままだと水分や微生物等で加水分解の促進を早める原因になる。
②下駄箱や靴箱に入れっぱなしにしない。
 特に夏場!密閉したところだと風通しが悪く湿気による劣化の可能性がある。
③洗剤や薬品などで靴底を洗わない。
 洗剤等に含まれる酸、アルカリ成分が加水分解を促進させる。

私もメーカーに勤めてよく聞くのが、久しぶりに履いた靴が急にボロボロと底が壊れたケースです。
購入して数年経っている靴を履く時は、靴底を少し触って加水分解の兆しが無いか確認することをお勧めします。

靴底の仕様を細かくチェックする事でより快適に使える。

靴メーカーは使用シーンを想定したうえで適切な靴底を付けて販売しているので、普通に使う分には特に困る事はありません。
その中でもちょっとした仕様の違いをチェックするだけでより快適に履ける事もあります。
靴を買うときには是非参考にしてみてください。

・ウォーキングなら『EVAにラバーが貼ってある』物を選ぶ。

歩きやすさ、走りやすさを考えると軽さとクッション性は外せません。その場合はEVAがオススメですが、必ず接地面にゴムが貼っている物を選んでください。 運動用なので耐摩耗対策は必須です。足の動きから考えてかかととつま先には必ず貼ってあるものがベターです。足裏中心にもゴムが貼ってあるとベストですね。

↑摩耗しやすいEVA部分全体、もしくは着地で力が掛かりやすい部分に限定してラバーを貼っています。

・山登りやハイキングでは『ラバー、深溝、適度な重さ』で選ぶ。

このような状況では砂利や石、又は路面が濡れている道などの整地されていない道を歩く事が中心になります。そんな環境ではしっかりとしたグリップ力、安定性が求められるので、ランニングシューズの様な軽量、クッションをメインとしたものでは足のケガに繋がります。
靴底はゴム材がしっかり使われている物、厚底タイプ、適度な重量感である物を選んでください。更に靴底の意匠(靴底の溝)が底全体にあり、凹凸の深さがしっかりある物だとベストです。

ちなみにMIDFOOTの靴底はというと・・・、
↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓

かかとと中足部、さらにはつま先まで、しっかりとラバーが敷き詰められています。白い部分がEVAです。
このような仕様ならば底面全てがラバーで覆われているので底は長持ちし易いです。

EVAとウレタンの見分け方は?

外観で判別するのは非常に困難です。実質不可能です。
では触れば分かるのかと言えば、硬さや弾力性も非常によく似ているので判別は不可能でしょう。
どうしても材質を確認したい場合は、靴製造元のメーカーに聞くのが一番です。
商品のタグに表記されていない物もあるので、靴の販売員さんはそこまでご存じでないかと思います。



いかがでしたでしょうか?
お店では軽さやクッション性についての説明が殆どでその材質の特性まで聞く事出来るのは稀です。
特性を知っておくだけで今まで以上に自分の目的に適した靴を選ぶことが出来ると思います。
是非皆様のシューズライフのお力になれれば幸いです。

ちなみにニューバランスの靴底のミッドソール部分(白い部分)はウレタン素材の様です。
ホームページを見るとその説明がありました。
(私も初めて知りました、EVAと思っていたので。見分け方が難しい・・・。)

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