ミッドフットを伝えてきて思う事、~担当者のつぶやき~

2021/11/01

『美味なる物には音がある』

これは日本ハム製品、シャウエッセンのキャッチコピーです。
当時は羊の腸に詰められた物はなじみがなく、ウインナーソーセージと言えば魚肉ソーセージなどの皮の無い物が一般的でした。シャウエッセンの様な皮のまま食べる事に馴染みがなく、そして今となっては食欲をそそる『パリッ』という音が消費者には違和感と捉えられる様になり、シャウエッセンは販売不振に陥っていたそうです。そこで日本ハムはその違和感を逆手に取った新しいキャッチをつくり、広告業界で高く評価されました。その後の企業努力も追い風になり、シャウエッセンは不動の地位を築いたとされています。

新しい視点の物は、新しい視点であるが故に受け入れられない難しさがあります。
今私が発信しているミッドフットシューズも似たようなケースだと感じています。

靴底は一般的にはフラットかヒールが付いているものが常識と認識されていますが、ミッドフットシューズは足裏の中心部分が盛り上がっている形状をしています。それに加えてヒール部分が宙に浮いているのです。だから違和感を持たれるのはむしろ仕方がない事なのかもしれません。
しかし人の歩き方の原点を顧みると、この底の形状こそが人の身体を正しく支えて歩けているのではないかと考えています。

人類は元々裸足で歩いていた歴史があります。昔の日本人で言えば下駄や草履で生活をしていたので、昔の人は自然に足裏で着地して歩いていたと考えられています。それが踵着地の歩き方に変わったのは靴のヒールが影響しているとされています。履物にヒールが付いたのは今から約1500年前の中世ヨーロッパの頃です。人類が大地に立って歩いていた時代とヒール付きの靴で歩いている現代、これを比較すると靴文化の歴史はまだまだ浅いものです。今の私たちの身体の構造もヒールという物で踵を持ち上げられる履物には順応していないのではないでしょうか?そう考えると人間にとって『足裏着地』が自然な歩き方と考えるのが合理的と考えています。

足裏で着地する事が良い理由は、私たちの身体の構造にも隠されているのです。
それが『お尻』です。


お尻って体の中でも特別に大きい部位だと思いませんか?
大きい理由にはそれなりに意味があります。
実は下半身の筋肉では最も大きく、大殿筋、中殿筋、小殿筋と3つの筋肉で構成されています。この筋肉群は人間の身体を重力下で支えるのに最も重要なのです。二足歩行の人間は直立するとき真上から重力を受けます。お尻の筋肉がないとその重力に負けて上半身のバランスが保てないのです。分かりやすい事例で言うと腰痛は姿勢の崩れから起きるとされています。

お尻の筋力が背骨を支えている、
そのお尻の筋肉の衰えが姿勢のバランスを崩し、腰に大きく負担が掛かる、
これが腰痛に繋がってくるんですね。

少し話がズレましたが、だから足裏着地が出来るミッドフットシューズで歩くと自然にお尻の筋肉を使う事が出来るんです。足の真ん中から入りやすくなるので姿勢は直立姿勢に近くなります。もちろん着地の一瞬なので体感では分かりづらいですが・・・。そうなると身体を支えている原理と同じで自ずとお尻の筋肉を使うようになるんです。関西大学と取った筋電図データでは、踵着地に比べて約2倍、お尻の筋肉を使っているデータがとれました。
※これは実測値のデータで効果を保証するものではないので予めご了承ください。

ユーザー様からも良く聞くのですが、使い始めは2、3日でお尻が筋肉痛になるようです。実は私も発売前のテストシューズを使用している時に感じました。

人間にとって最も重要な筋肉を使える歩き方が『足裏着地』で歩くこと、
そしてそれが実現できる機能がある靴が『ミッドフットシューズ』です。

ここまでの話で靴底の独特な形状について少し理解してもらえたでしょうか?
口で話すと長くなってお客様を疲れさせてしまうので、文章で見てもらった方が伝わるかな?と思っています。
何よりも履いて実際に感じれたから自信をもって言う事が出来ます。
そして私では分からなかった事をお客様の声をきっかけに知る事で、大きな可能性と期待に胸を膨らませております。

私は8年前の開発当初に河端先生のお話を聞いて、このシューズが世の人たちの健康保持のきっかけになれる事を信じて販売を開始いたしました。今のモデルを販売し始めて約3年、少しずつですがお客様にご支持頂ける様になってきました。イベントで生の声を聞かせてもらったり、お喜びの商品レビューが載るたびに、もっと世の中のすべての人に知ってもらいたい重いが強くなってきています。もちろん厳しいお叱りも多いです。まだまだしっかり伝えきれていない面は多々あります。

この靴のキャッチコピーは『ヒト本来の歩き方へ』です。
シャウエッセンの名キャッチ程のインパクトはないですが、ミッドフットシューズの本質をシンプルに表現できていると自負しています。

私たちが発信する新しい視点の物が、いつの日か当たり前の存在として認めてもらえるように。これからも実直に想いを伝えていこうと思います。

月間アーカイブ